ほくやく・竹山ホールディングス

株式会社ほくやく・竹山ホールディングス

第20回 定時株主総会 参考資料はこちら

IR情報

株主・投資家のみなさまへ

みなさまには、平素より
格別のご支援、ご高配を賜り
心から御礼申し上げます。

代表取締役社長 眞鍋 雅信

平素より私ども企業グループを支えていただいている株主・投資家の皆さまの温かいご理解とご支援を心より感謝申し上げます。

この春、わが国の政治・経済動向に少なくない影響を与える米国の政策に着目すべき変化が生じました。米国通商代表部(USTR)が毎年春に発表する「スペシャル301条報告書(知的財産権の保護・執行に関する年次報告書)」において、日本の薬価基準制度の一部(毎年薬価改定や市場拡大再算定など)が、「革新的な医薬品の価値を過小評価し、不透明な不利益を与えている」として、知的財産権保護および市場アクセスの観点から「繰り返し」「名指し」で問題視されたことであります。詳細については文末の参考資料に譲りますが、特許(知的財産権)によって一定期間の独占と利益獲得が認められている新薬に対し、政府が「中間年改定(実質的な毎年改定)」や「市場が予測以上に拡大したから」という理由で薬価を引き下げることは、「特許がもたらすべき正当な価値を実質的に侵害し、市場アクセスを阻害している非関税障壁である」と指摘されました。
トランプ大統領は第一期政権時から、「日本や欧州が政策的に薬価を安く抑えることで、米国の患者や企業が医薬品研究開発費を不当に肩代わりさせられている」との不満を表明しており、これが米国貧困層向け公的医療保険であるメディケイドにおける医薬品給付価格の新たな国際価格参照モデル「GENEROUS」の導入の動機ともなっています。
この制度が米国内の医療保険市場に波及すれば、グローバルファーマ(特に米国大手製薬企業)からすれば「日本で新薬を上市して安く販売されると、最大の収益源である米国での利益まで連動して削られてしまう」という事態になりかねません。結果として、事業リスクを避けるため「新薬を日本で最初から発売しない(若しくは日本市場への投入を後回しにする)」というドラッグ・ロスが深刻化するリスクが指摘されています。わが国の社会保障政策への本件の影響は避けられないのではないでしょうか。

さて、我が国は人類が経験したことのない超高齢社会を迎えます。保健・医療・介護・福祉を地域ごとに統合する地域包括ケアシステムの構築が国策として推進されているところであります。
国立社会保障・人口問題研究所によると、2023年度の社会保障給付費の総額は 135兆4,928億円であり、前年度と比べ 2兆6,809億円、1.9%の減少となりました。対GDP比は22.76%であり、前年度に比べ 1.59%ポイント減少しています。人口一人当たりの社会保障給付費は 108万9,600円であり、前年度に比べ 1万6,300円、1.5%の減少となりました。
この社会保障給付費を「医療」、「年金」、「福祉その他」に分類して部門別にみると、「医療」が 45兆5,799億円(総額に占める割合は 33.6%)、「年金」が 56兆3,936億円(同 41.6%)、「福祉その他」が 33兆5,192億円(同 24.7%)となりました。前年比で「医療」は 3兆1,890億円減少(6.5%減)、「年金」は 6,029億円増加(1.1%増)、「福祉その他」は 948億円減少(0.3%減)しています。「医療」は新型コロナウイルス感染症対策に係る費用の減少が大きく影響しました。
また社会保障給付費の対GDP比は、2018年度の21.5%(名目額121.3兆円)から、2025年度に21.7~21.8%(同140.2~140.6兆円)となります。その後15年間で2.1~2.2%ポイント上昇し、2040年度には23.8~24.0%(同188.2~190.0兆円)となる見通しです。
名目経済成長率が3%を超える経済成長実現ケースでも、社会保障給付費の対GDP比は概ね同様の傾向で増加するのですが、2040年度で比較すると成長率が2%台半ばのベースラインケースに比べて、1%ポイント程度低い水準(対GDP比22.6~23.2%(名目額210.8~215.8兆円))に留まります(「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省)。

この成長著しい社会保障関連事業という市場に特化した事業ポートフォーリオをほくやく・竹山ホールディングスは有しています。医薬品卸売、医療機器卸売、薬局、介護、ICT(情報通信技術)の主要5分野の事業であります。2025年に地域包括ケアシステムを完成させることは国策でありました。これは2008年の国による研究開始以来、団塊の世代が75歳を迎えた「2025年」を第一のターゲットとして整備されてまいりました。医療・介護から、生活支援、予防、住まいに至る5つの基盤を整備し、住民の選択を尊重するこの取り組みは、現在、退院直後のリハビリの空白を埋める「連携の質」が問われるフェーズに入っております。これまでの政策成果として、医療・介護従事者の確保、がん死亡率の低下に加え、年齢別の要介護認定率が減少するなど、若年シニア層の健康指標は大幅に改善いたしました。
しかし、ここからが地域包括ケアシステム「第二ステージ」への転換点となります。
健康寿命が延びた結果として、今後はさらに年齢の高い「超高齢者層」の医療・介護ニーズが爆発的に増加してまいります。例えば認知症への総合対応(医療・生活・就労)や、股関節骨折や誤嚥性肺炎などの予防可能な急性期イベントに対し、栄養・口腔ケア・嚥下管理・環境整備などを強化する必要性の高まり等です。
つまり「ゴール」は静止しておらず、社会保障に関する政策目標は先へ先へと動き続けます。よって私たちにも常に進化し続けるビジネスモデルが求められています。政策の主戦場は「85歳、さらには90歳」へと移行しており、国が掲げる次なる節目は「2040年」へと設定されました。
この2040年に向けた環境変化を、私たちはむしろ事業機会と捉えます。地域包括ケアシステムにおいては保健・医療・介護・福祉が切れ目なく連携して地域の住民へ必要なサービスを提供することになっています。ほくやく・竹山ホールディングスはグループ内企業の垣根を取り去り、地域の実状に同期するよう切れ目のないサービス・商品を提供してまいります。私たちほくやく・竹山ホールディングスは「地域包括ヘルスケア企業グループ(Community-Based Integrated Healthcare Corporate Group)」として企業価値向上へ向けて不断の努力を続けてまいります。
今後とも皆さまの変わらぬご支援を賜りますよう衷心からお願い申し上げます。

株式会社ほくやく・竹山ホールディングス
代表取締役社長 眞鍋 雅信

【参考資料】
最新の報告書(2025年版・2026年版)における、日本の医薬品価格設定(Pharmaceutical Pricing)に関する米国政府の公式見解(原語の該当箇所および日本語訳)は以下の通りです。
1. USTRによる公式報告書(原語抜粋)
USTRの報告書内「第1節:医薬品および医療機器のイノベーションと市場アクセス(Pharmaceutical and Medical Device Innovation and Market Access)」の日本に関する記述の該当部分です。
"The United States continues to monitor Japan’s pharmaceutical and medical device pricing policies to ensure they reward innovation and maintain predictability and transparency."
"Stakeholders have raised serious concerns about the cumulative impact of recent pricing reforms in Japan, including the implementation of annual price revisions and complex, unpredictable market expansion re-pricing rules."
"Such measures can erode the value of innovative medicines under patent and discourage investment in research and development, potentially leading to delays or lack of access to new treatments (the so-called 'drug lag' or 'drug loss') for patients in Japan."
"The United States urges Japan to ensure that its pricing and reimbursement systems appropriately value innovative pharmaceuticals and medical devices, and to foster an environment of meaningful stakeholder engagement, transparency, and due process."

【日本語訳】
「米国は、イノベーションに見合い、予見可能性と透明性が維持されるよう、日本の医薬品および医療機器の価格設定政策を継続して注視している。」
「ステークホルダー(米国の製薬業界団体等)は、『毎年薬価改定』の実施や、複雑で予見不可能な『市場拡大再算定ルール』など、日本における近年の価格設定改革の累積的な影響について重大な懸念を表明している。」
「これらの措置は、特許期間内にある革新的な医薬品の価値を損ない、研究開発への投資意欲を低下させ、結果として日本の患者に対する新薬アクセスの遅延や未承認(いわゆる『ドラッグ・ラグ』や『ドラッグ・ロス』)を招く恐れがある。」
「米国は日本に対し、価格設定および償還(保険適用)システムが革新的な医薬品や医療機器の価値を適切に評価すること、そして有意義なステークホルダーの関与、透明性、および適正手続き(デュー・プロセス)の環境を育むことを強く求める。」

発行元: 米国通商代表部(USTR:Office of the United States Trade Representative)文書名: Special 301 Report(セクション:Section I: Intellectual Property Protection and Enforcement / Market Access and Pharmaceutical and Medical Device Innovation)
公式ウェブサイト: https://ustr.gov

※ GENEROUSモデルの概要
https://www.cms.gov/priorities/innovation/innovation-models/generous

正式名称: GENEROUS (GENErating cost Reductions fOr U.S. Medicaid) Model
対象: 米国の低所得者向け公的医療保険である「メディケイド(Medicaid)」がカバーする医薬品。
開始時期: 2026年1月より順次導入(2026年6月30日までに製薬企業は参加契約の締結が求められています)。
・価格設定スキーム
これまでの大統領令などでは、単に「他国の価格を参照する(最恵国待遇:MFN)」とだけ示されていましたが、GENEROUSモデルでは非常に緻密な計算手法が採用されています。ポイントは以下の3点です。
① 参照国は日本を含む「8カ国」
米国政府は、自国と経済水準が比較可能な先進国など8カ国をベンチマークとして指定しました。
【参照8カ国】日本、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、デンマーク、スイス
② 「公定薬価」ではなく「実勢価格」を参照
これが製薬業界に激震を与えた最大の要点です。各国の採用している「公定価格」ではなく、製薬企業が各国の病院や政府に提示しているリベート(割戻金)や割引を差し引いた、「実勢価格」を基準に計算します。
③ 「下から2番目の安さ」×「購買力平価(PPP)補正」
極端な低価格(例:特定の国でのみ適用されている特殊な格安価格)を除外するため、8カ国の中で「2番目に安価な実勢価格」を基準値として採用します。さらに、各国の一人当GDPや購買力平価を考慮した補正を行い、米国のメディケイド向けの上限価格を設定します。
④ 還付(リベート)の義務化
製薬企業は、現在の高額とされている米国保険償還価格と、この計算で導き出された「GENEROUS価格」との差額を、各州政府へ還元・還付しなければなりません。

トピック(2026年3月期)

地域包括ケアシステムの深化と新社名「TSUMUGU HOLDINGS」へ

当社グループは、超高齢社会の進展を見据え、地域包括ケアシステムの深化に向けた体制整備を推進しております。

株式会社ほくやく旭川支店

医薬品卸売事業の株式会社ほくやくは、2026年2月に旭川支店を新築移転いたしました。GDP(医薬品の適正流通ガイドライン)に準拠した最先端の設備や、災害時にも稼働可能な自家発電の導入に加えて、倉庫スペースを約1.5倍に拡大するなど、上川地区の医療を支える基盤機能の強化を進めております。

介護事業の株式会社マルベリーは、2025年11月に「さわやかセンター室蘭登別」を新築・拡大移転いたしました。福祉用具を実際に見て・触れて・体験できる相談機能を強化し、多様化する地域の介護ニーズにより的確に応える体制を構築しております。

株式会社マルベリーさわやかセンター室蘭登別
2026年9月、
私たちはTSUMUGU HOLDINGSへ

また、当社は2026年9月29日に設立20周年を迎えます。この節目を次なる成長ステージへの飛躍の好機と捉え、「第二の創業」として、商号を「株式会社TSUMUGU HOLDINGS(つむぐホールディングス)」へ変更することを決定いたしました。新社名のもと、医薬品卸売、医療機器卸売、薬局、介護、ICTの各事業間の連携をいっそう強固にし、「健やかな地域社会の実現」と「地域包括ケアシステムのさらなる深化」に貢献してまいります。

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